文書作成日:2022/07/28
改正育児・介護休業法は、2022年4月に育児休業を取得しやすい雇用環境の整備等、第一段階が施行されましたが、いよいよ10月には出生時育児休業の創設等の第二段階が施行されます。今回は10月より施行される改正内容をとり上げます。
男性の育児休業の取得を促進するために、子どもの出生直後の時期において柔軟に取得することができる新しい育児休業の制度が創設されます。この新制度は出生時育児休業、通称「産後パパ育休」と呼ばれ、子どもが1歳に達するまでの通常の育児休業とは別に取得することが可能な新たな育児休業です。子どもの出生後8週間以内において4週間を上限として取得でき、2回に分割して取得することも可能です。例えば子どもが出生し、配偶者が退院するときに2週間、その後、子どもが2ヶ月になる前に2週間取得することが考えられます。
従来の育児休業は、原則、休業の1ヶ月前までに申し出る必要がありますが、この出生時育児休業は原則、休業の2週間前までに申し出ることで取得できます。
この2週間前までの申出期限については、育児・介護休業法を上回る取組みを労使協定で定め、締結することにより、1ヶ月前までとすることが可能です。育児・介護休業法を上回る取組みとは、以下に掲げる措置のうち、2つ以上の措置を講ずる必要があります。
現行の育児・介護休業法では、原則として育児休業を分割して取得することはできません。これについて10月以降は2回に分割して取得することができるようになります。なお、1の出生時育児休業は、子どもが1歳に達するまでの育児休業とは別に考えることから、出生時育児休業で2回、子どもが1歳に達するまでの育児休業で2回の育児休業を取得することも可能です。
育児休業は、子どもが1歳に達するまで取得することができますが、1歳に達する時点で保育所に入ることができない等の事情があるときは1歳6ヶ月に達するまで延長することができ、1歳6ヶ月に達する時点で保育所に入ることができない等の事情があるときは2歳に達するまで再延長することができます。この延長や再延長の開始日は従来、1歳または1歳6ヶ月に達した日に限られていましたが、配偶者が延長や再延長を取得している場合には、開始日を柔軟に決めることができるようになりました。これにより、1歳以降の育児休業期間の途中に夫婦交代で育児休業を取得することが可能となります。
今回の改正は、男性の育児休業の取得促進を中心とした新しい内容があるため、今後、従業員から会社への問い合わせが増えてくるかもしれません。今後、就業規則(育児・介護休業規程等)の整備も必要になってくることから、内容を確認しておきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。